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晩秋のライズ後編



遅かった秋が突然の吹雪に見舞われましたが、

翌日には雪は解けました。

静かな渓を囲む木々には、まだ葉が残っていて、

シーズン最後を悟った陸生昆虫、とりわけカメムシが温かさを求めて

森の中を飛び回っています。

日の当たったコンクリートの護岸は近づくと

カメムシが頭に纏わりつこうとして大変なことになります。


緩く流れる深瀬、護岸横の深いプールは、

どんな川でも、シーズンを通して一級のポイントです。

その区間でもっとも巨大なニジマスを見つけるチャンス。



静かに流れる虫には見向きもしなかった大物が、突然、水面を割って出ました。

いったい何を食べているか?

それは釣ってみるまでわかりませんが、

実は、何でも食べている、というのが正解です。

先日は、10回目ぐらいに飛び出してきたゲストの大物からは

何かの幼魚と、奇怪な彩りのクモが出てきました。


ただし、捕食のスイッチというのは、一筋縄ではいきません。

シーズンを通して釣り人にいじめられてきて

神経質を絵で描いたような『プールの大物』なのです。


以下、かなりテクニカルな話です。

俗にいうエキスパートでも一度でうまくいくとは限りません。


魚の真後ろに陣取ります。

フライはまずは10番のビートル。

ピーコックカラーのダビング材を使っています。

(このパターンは見向きもされず、のちに変更)


そのまま真っすぐにラインを出すと、

魚の頭上に掛かってしまう位置ですが、

この位置しかありません。

これまでもこの同じ魚で失敗していますので、これは間違いないのです。


なぜなら、僕は右利きですので、サイドキャストでフライを投げますが、

右側に8,8ftのサオとタイトなループ役1mほどの『空間』が必要なのです。

僕のバックハンドでは、二つ目のパターン、6番UVヒゲナガに4Xティペットでは

タイトループがややテーリングしてしまうのです。

バランスが悪いわけですが、ここより良いポジションは

ないように思います。


二つ目のUVヒゲナガは雑誌にも出さない僕の必殺パターンですが、

もちろん広まっては困ります。ガイドでは使っているので、

「ああ、あれか」と思いの方もいるでしょうね。

そう、あのバリエーションです。

ただ、使い方を誤るとうまく機能しませんので、誰でも簡単にではないのです。


これを壁に向かって思いっきり叩きつけるように投げ、水面に落とします。

右方向から、真ん前、上流にいる魚ですので、

リーダーは斜めに伸びています。

ティペットとフライサイズが適切なら、

魚はイトを気にしません。


これで前の週は、別の川の同じようなポイント、

一回り小さいですが(ゴーマル超)、

とても神経質なが、これでヒットしました。


しかしここでは、無視されます。


次に、また同じように落としますが、

キャストアウトしたあと、サオはすぐに立てておきます。

ライン&リーダーにスラックはありますが、

肘を後ろに曲げて引けば、ドラグが掛かる程度です。

魚の位置、見えていたらベストですが、その位置ではたいてい逃げられますので、

いる辺りに差し掛かる直前に、サオのティップを左右に小さく揺らします。

ティップは柔らかめがオススメなのは、これも理由です。


フライは小刻みに動きます。

(動き過ぎてはだめです)


デカイ頭がゆっくりを水面に出てきて

フライをエサと勘違いしたままゆっくりくわえました。

会心の一尾、ということに。


静かに流れている本物の虫は食べず、

ちょっと動いたフライを食べる。

パターンは決してリアルイミテーションではないのです。

スレッからしの大物、しかもフラットな流れでは時おりある出来事です。

もう少しだけ流れの早いポイントでは、また違った動きに、

違った対応があります。


水面をゴニョゴニョの一端はこんな感じです。

いろんな場面で使ってきました。

ヘンリーズフォーク、オリッティ、阿寒湖、、、

擦れた大物、特別な川、湖は

釣り人の腕を磨いてくれます。


こんなやり取りが出来ることが、

フライフィッシングの、ドライフライの醍醐味だと思います。

世界中で『ドライフライ・エンスージースト=一生涯をかけて没頭する釣り人』

はそうしてたくさん生まれたはずです。

あまりニンフの世界では聞かないのです。

スイングの釣りでは、スチールヘッダーなどがいますよね。


皆さんも自分だけのゴニョゴニョ、あるかと思います。

今度教えてください(笑)









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